妙音品(みょうおんほん)
     
 
     
 
 
妙音品(みょうおんほん)
 

 

 この品ほ、三千四身(じん)に姿を変えて『法華経』を説く妙音菩薩(ぼさつ)が登場して、『法華経』の説法がいかに重大な意義をもつものであるかを説く。見返し絵は、経句の「時に妙音菩薩は、彼の固まり没(もっ)して、八方四千(しせん)の菩薩と倶共(とも)に、発(あらわ)れ来(きた)れり。経(へ)たる所の諸(もろもろ)の国は六種に震勤し、普悉く七宝の蓮華を雨(ふ)らし、百子の天の楽ほ鼓(う)たぎるに自(おのずか)ら鳴れり」の「八万四千の菩薩」の図様化。銀泥(ぎんでい)を刷(は)き虚空(こくう)にまがえる。雲中(胡粉描きの雲)、蓮台(れんだい)に坐す仏(釈迦如来)が来迎(らいごう)する。
菩薩形(ぎょう)を如来形に措き違えたのは、絵師の過誤(かご)か。

 
 
 
     
 
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