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筆者:増渕東(音楽制作者)ミュージシャンを経て大手音楽制作会社から'87年にCBSソニー入社。'96年ワーナー・ミュージックに移り'00年独立し、音楽制作会社 Laquia inc.を設立。自身のHPでのブログ「ぶっちーのプロデュース日記」は毎日更新中。http://www.laquia.co.jp/ |
No.10 [seagulloop]
アーティスト活動、特にバンド活動を自分たちだけで運営してゆくには相当の労力や知恵が必要です。ライブハウスのブッキングや、楽器の運搬。物販があれば会場で売る係、またその物販の管理。HPページ作成。上げればきりがないほど、音楽を作る以外にやらなければならない事が多い。最初のうちは友人やファンがボランティアで、スタッフとして助けてくれることもあるだろう。だが、お客さんの動員が増え、ある程度ライブ会場の規模も大きくなると、自分たちだけでは仕切れない場面も出てくる。バンドもある程度の規模になれば、その情報も伝わるので、音楽事務所やレーベルの人間からのアプローチも出てくるだろう。しかし、誰かに任せるのではなく、自分たちで出来る所まで努力することは、アーティストにとって後々の大きな財産になることに間違いはない。インディーズからアーティスト活動を始めるのであれば、まず「知らないから」とかの理由で避ける事なく、大きな契約事が現れ、自分達の許容量を超える時点まで、エンターテイメントの仕組みを覚える意味でも、自分達の手でバンドを運営することを私は勧めたい。seagulloop、まずバンド名にセンスを感じた。seagul(カモメ)+loop(輪)という造語だが、シーガループという語感も好きだ。Vo&Gt青葉を中心に昨年末バンド結成し、今年2月から本格活動を始めた。ただ、青葉を含めバンド4人中3人は昨年末までメジャー・レコード会社に在籍してたバンド・メンバー。前身バンドの解散には敢えて触れないが、レコード会社との契約を更新せず、所属事務所からも離れ、そして、また志し新たに、旧友のベーシストの安藤に声をかけ、青葉と苦楽を共にしてきたドラム迫、キーボード津田の4人で、今は誰の力にも頼らずseaglloopを羽ばたかせることになった。現在、ライブ活動しながら音源制作の準備に取りかかっており、私の手元にある音源はライブ音源だけだ。元々演奏力には定評があった彼らなのだが、非常に伝わるものがある。Vo&Gt青葉の声も、以前のバンドの頃より優しく、そして力強い。サウンドは3リズムにピアノを主体にしたKeyとシンプルで、ボーカルを引き立たすバンド・アレンジも心地よい。歌詞もライブ音源であるにも関わらず、その世界観に風景を呼び起こさせる。切なさ、迷い、夢といったテーマの中、聴いた者がいつしか歌詞世界を自分自身に投影してゆくに違いない。そこには上澄みだけの奇麗なフレーズはなく、少し不器用だが染み入る言葉がある。青葉は歌詞だけではなく、将来的に長文物も書くのではないだろうか。そんな気にもさせられる説得力を持っている。7月31日には早くも渋谷O-Crestでのツーマン・ライブがある。大きな翼を再び拡げたカモメ達をチェックしたいと思う。 http://seagulloop.com/seagulloop/News.html |
No.09 [soulife]
音楽を楽しむツールとしてモバイルが使われ始めて、わずか数年で日常化した。これはある程度予想されていた事態なのだが、この着メロ〜着歌〜着歌フルへの移行のスピードには正直驚いた。モバイル配信が始まった頃には、そもそも携帯電話で音楽を聴くなんぞ・・・。という声も聞かれたが、筆者の中・高校生時代にはエア・チェックといって、FMラジオからカセットテープに録音して音楽を楽しんでいた。何のことはない。音楽を聞くツールが変っただけのことである。現在、音楽を作って様々な人々に聞いてもらいたいと思えば、メジャーレコード会社が最終的な到達点であったとしても、インディーズでCDを出すという方法が定着してきた。しかもCDを作らずに配信だけで音楽を世に問うアーティストも増えてきた。今後も急加速的に配信オンリー・アーティストが増えるだろう。ただしここで、流通が自主もしくはネット化した時に大事なことを忘れがちになるのではないだろうか。それは宣伝である。せっかく自分たちの思う様な音楽が作れて、さて・・・誰に買ってもうらえるのか。そんなジレンマに陥ったインディーズ・アーティストは多いことだろう。少なくとも、自分たちが一生懸命制作した音楽なのだから、その情報をホーム・ページ作ったから誰かが見てくれて、興味を持ってくれて、そして購入してくれる筈・・・。そんなに世の中うまく出来ていない。音楽を作った時と同じかそれ以上の情熱を持って宣伝しなけりゃね。しかもインディーズだったらもちろん、責任分担という都合の良い言い訳で宣伝を放棄しちゃ未来永劫、成功はしないと思うな。soulife(ソウライフ)は自分たちの手で一生懸命に宣伝をしている希有なアーティストの一組だ。昨年11月アルバム「アゲハ」でデビュー。早くも先月マキシ「春カナタ」をリリースした。河田総一朗と佐々木 望の二人からなるユニット。 一聴して感じるのは歌声の爽やかさ。そしてアコーステック・ギターを全面に打ち出した広がるサウンド。だが一番の魅力は歌詞世界だ。とても詩的なのだが、観念的ではない。リリカルな言葉が一杯にちりばめられた歌に引き込まれていく。言葉一つ一つに力がある。そこにまるでポエトリー・リーディングを聞いてるかのような感覚になる位、縦横無尽に広がるメロディーに一体化した言葉が泳ぐ。そこに一切媚びたテーマは無い。正直、このsoulifeのスタイルは今を席巻しているムーブメントには見られないが、現在進めているsoulifeの宣伝活動〜もちろんライブ活動も含まれる〜がある時、化学反応を起こし、大爆発する予感をさせてくれる。彼ら自身のHPのコラムも好評のようですので、是非訪れてみて下さい。人柄が伺えますよ。そしてきっとsoulifeに興味を持つに違いありません。 http://soulife.jp/index.html |
No.08 [RIO://TAPI][リオタピ]
ここで私が敢えて書く事ではないかもしれないが、周知の通り、Rockサウンドは原点回帰へ加速度を増している。'90年代に入ってから、テクノロジーの進歩は音楽制作に於いても、革命ともいえる変貌を遂げてきた。ある時期までは、その'90年代の音楽(サウンド)は新しい音として急速に世の中に浸透し、メディアのみならず、街中でもそのサウンドが鳴り響いていた時期があった。いつの時代でも急速な「流行」には終焉がやってくる。'00年に入ってから新たな息吹が芽生えるがごとく、その衰退してしまったかのように見えていたRockサウンドが息を吹き返した。そして現在、ヒットチャートはこのRockサウンドと共に、原点回帰現象が起こっているように映っている。人間が奏でたサウンド。コンピューター・サウンドではなく、生楽器の音に新鮮さを感じる時期を迎えたようだ。そんな原点回帰したサウンド満載のRockな作品をご紹介したい。
流浪のロック歌姫 高樹リオとcan/gooの紅一点TAPIKOとのユニットRIO://TAPI(リオタピ)のアルバムが約8ヶ月のレコーディング期間を要しようやく完成した。2006年に結成。リオタピ・バンドの参加ミュージシャン達は超多忙、そして皆名うての女性ミュージシャンばかりで構成されている。プロフィルを簡単にご紹介しよう。高樹リオ:B'z、大黒摩季、ZIGGY等のレコーディング、サポート・ミュージシャンとして活躍中。TAPIKO:can/goo(カングー)看板娘 ボーカル&ピアノ。長井ちえ GUITAR(ex.千年コメッツ、e-ha?、一青窈、井上陽水、河村隆一、大槻ケンジ 等)。山田直子 BASS(ex.ノーマジーン、e-ha?、Smap、福山雅治、椎名へきる 等)。臼井かつみ DRUMS(矢井田瞳、絢香、堂本剛、財津和夫 等)。昨年行われたイベント「渋谷サイケデリックvol.2」で初お披露目したそのライブ・パフォーマンスは、観るものを圧倒し一気に多くのファンを掴んだ。4月13日のRUIDO K2でのプレ・レコ発ライブから本格的にライブ活動を開始する。また、長井ちえ、山田直子がRed Hot Chili Peppersのドラマー、ChadSmith氏のドラムセミナーにてサポート演奏を務めることが決定していたことからも、その実力が伺える。(来日が延期になりセミナーも延期に)アルバム全体を通じて、リオとタピコの圧倒的な歌唱力と絶妙なハーモニーが深く印象に焼き付く。楽曲のメロディーも非常に洗練されていて、どこか懐かしい感触は残るのだが、決して模倣ではない新鮮さに溢れている。ギター、ピアノ、オルガンを主体にしたサウンドに加え、絶妙なコンビネーションを誇るリズム隊のグルーヴ。'90年代から第一線で活動してきたメンバーだからこそ、今というリアルタイムの原点回帰サウンドが奏でられるのだ。また名盤の誕生に出会えた気がする。必聴盤である。 http://www.riotapi.com |
No.07 [THE BOMBJACKS]
先日、恵比寿リキッドルームでおこなわれたwabマガジン「New Audiogram」主催のイベント「New Audiogram vol.1」に行ってきた。会場内ではTシャツなどのグッズなどが販売されていたのだが、裏原系の元祖ブランド「Devilock」とのコラボや、ロビーにはMacとタイアップによりiMacがズラリ。今一番お洒落なイベントのカタチを物語っていた。 出演アーティストもSTRAIGHTENER,FRONTIER BACK YARD等、今最も勢いのあるロックバンドばかり。因みに前売りチケットは即完だったそうだ。このところのギター・ロック系は「気持ちよく酔える」サウンド傾向にある。特にライブ。先述のイベントなど、お客さんは一人一人お目当てのバンドがあるのだろうが、出てくるバンド全てと一緒に「音楽」を楽しんでいた。「音楽」を生業としている身としては嬉しい限りである。 「THE BOMBJACKS」。UKのバンドである。98年ロンドンで結成。1stアルバム『バッテリーズ・ノット・インクルーデッド』は日本でも10,000枚以上のセールスを記録し、低迷していたUKのメロディック・パンク・シーンに日本のパンク・ファンの目を向けさせることになった。約2年前には来日し、ツアーも敢行している。このTHE BOMBJACKSを聴いていると、今の日本のインディーズの傾向が見えてくる。このTHE BOMBJACKSの発売元はPYROPIT REKORDSなのだが、UKシーンを席巻している最先端のアーティストを日本に紹介しているレーベルである。新しモノ好きな方や尖ってるモノ好きな方にはおススメしたい。 http://www.pyropitrecords.com/ |
No.06 [Kra](ケラ)
今回ご紹介するバンド「Kra」(ケラ)は当コラム筆者がプロデュースのお手伝いをさせて頂いているバンドです。2001年9月結成。Vo.景夕(けいゆう)、Gu.舞(まい)、Ba.結良(ゆうら)、Dr.靖乃(やすの)の4人編成。2006.9月にリリースしたシングル「ハートバランス」がオリコンウィー クリーチャート23位にランクイン。2006.12月27日C.C.Lemonホール(渋谷公会堂)にて行われたワンマンライブは即日ソールドアウト。そして2007.3月7日初のフルアルバム「dhar・ma」(ダルマ)をリリースする。「ファンシー&メルヘンロック」をコンセプトに、エンターティナーである事を前提に、個々のキャラクターの強さを武器とし、楽しさ、驚き、新鮮さをファンに向け常に発信している。音楽性はロックからファンク、時にジャジーなものまで幅広い。各楽曲一つ一つの音楽スタイルが異なり、そのアイデアは枯れることのない湧き出る泉のようだ。歌詞は全楽曲ボーカル景夕が担当している。バンド・コンセプト通り、情景が浮かぶような世界を得意としている。ベルベットの感触に力強さを兼ね備えたハイトーン・ボイスが聴く者を、瞬時にKra世界へと誘う。景夕は言葉だけで絵画を描ける希有なアーティストだ。 そしてKraの最大の魅力はライブにある。「Showとはこうあるべきである、という中身の充実したパフォーマンスを提供している。舞台上のセットは毎回趣向を凝らし、まるでミュージカルのセットのようである。そして景夕の笑える毒舌MCのお客さんとのやり取りは、一度経験するとハマること間違いなし。2時間以上繰り広げられるShowはあっという間に感じられてしまうのだ。ライブ中常に動き回っているメンバーの体力も圧巻だが、何たってファン達の熱気がもの凄い。Showの間中ずっと手を振り上げ踊っているか、ピョンピョン飛び跳ねている。若いって素晴らしいな…などと感心してしまう瞬間でもあり。昨年暮れにワンマンに招待され観に行ったのだが、アンコールまで瞬きを忘れるほどの素晴らしいパフォーマンスであったが、ライブ終了のアナウンスが会場内を流れた後、更に驚かされた。なんと、会場に赴いていたファン全員がKraの楽曲を歌い出したのだ。しかも全員が同じ振り付けをしながら。この景観には正直感動した。もちろんメンバーやスタッフ達も初めての経験だといい感動を共有していた。 そんなKraの初のフルアルバム「dhar・ma」(ダルマ)がリリースされる。約2ヶ月の時間を費やし制作された今作品。全楽曲、異なるアプローチで展開されていて、非常に充実した内容且つ、恐ろしいくらいのカッコ良さに仕上がっている。Kraのファン層は3世代に渡り幅広い。文字通り、大人も子供も楽しめるアルバムだ。2007年の大ブレイクは間違いないでしょう。是非一度Kraワールドを堪能して下さい。 http://www.pscompany.co.jp/kra/ |
No.05 [松本哲也/NO MILK]
松本哲也:2006年が日本とネパールの国交樹立50周年だったことは、おそらく広く知られていないことだと思う。もちろん筆者も知らなかった。しかし、昨年の11月、その国交樹立50周年記念行事の一環としてネパールの首都カトマンズでコンサートと孤児院巡回ライブを敢行してきたミュージシャンがいる。壮絶な少年期を過ごしてきたシンガーソングライター「松本哲也」だ。6年前にシングル「翼」でデビューし、2枚のマキシと4枚のアルバム(ミニアルバム含む)をリリースしている。最新作はアルバム「それから」(DLCP-2038)。前述で壮絶な少年期を過ごしたと書いたが、松本のプロフィールを少し抜粋して紹介する。「家庭の事情により5歳から祖父母の元、8歳から児童養護施設にて育つ。中学2年、家庭の折り合いが悪く、また学校にも馴染めずに非行に走る。鑑別所、児童自立支援施設(旧教護院)に送致。施設内で作詞、作曲を手がけるようになる。中学卒業と同時期に退園。慕っていた音楽講師に「ミュージシャンになります」と言い残し15歳で上京。コック見習いなどで生計を立てながら、ギターの練習に打ち込む。その後、暴走族に所属するなど荒んだ生活を繰り返しながらも、漠然とミュージシャンになる夢を抱く。」…。これだけ読むと、松本の作る音楽はイメージだけだが轟音系に思われるかもしれない。だが、そこには複雑な家庭環境、生い立ちを「心」のメッセージに変え、深い愛溢れる「詩」を歌う松本が在る。歌詞の一言一言に希望がある。子供達のみならず、母親層に松本の音楽が受け入れられているのも頷ける。また松本は執筆活動も積極的におこなっており、自らの半生を綴った告白本「空白(幻冬舎)」を出している。現在松本は楽曲の裏側にあるメ心の闇モを吐露したことで講演会、慰問ライブなどの依頼が急増していて、故郷岩手と東京を中心に活動中である。是非一度松本哲也に触れてみてほしい。http://www.admusic.jp/
NO MILK:オフシーズンに入ってから大リーグでは日本人選手の話題が多かったですね。国境を越えて日本人がその才能を世界に羽ばたかせているのを見ると、やはり嬉しいです。音楽でも最近では日本人アーティストが世界進出を目指しているのは、もう珍しい事ではなくなっています。その最も世界的大成功を収める可能性を秘めた日本人アーティストの一人にNO MILKがいる。クラブシーンではもう既にカリスマ的なリミキサーとして認知されている。NO MILKは1998年、『V.A.-Mozambique e.p.』(Capricious)への楽曲提供でデビュー。自身のレーベルであるRhapsody Recordsからリリースされた作品群は世界各国で高く評価されており、Doc Martinをはじめ、Tom ChurchillやRuss Gabriel、Swag等のDJ Chartに挙げられているほどの注目株だ。ハウス、テクノ・ミュージックにカテゴライズされてきてきたNO MILKだが、最新作「Up All Night」(MUCOCD-0012)…こいつはやばい。やばすぎるグルーブだ!ファンク&ピースフル・グルーブ!とでも表現しようか。聞いたその一瞬にしてトランス状態な陥りそうな楽曲ばかり。また最近の活動ではダンス・ミュージックにとどまらず、ロックバンドの楽曲リミキシングまでその幅を拡げている。先頃リリースされたサラブレンドの1stアルバム『THOROUGHBLEND』(UPCH-1527)に、先行発売された3枚のマキシシングル/カップリング曲であったNO MILK/リミックス・チューンが全曲収録されていることを見ても、その才能が注目されていることが明白だ。ハウスやテクノはちょっと苦手かも…という方に是非聞いて頂きたい。このリフレインされるファンクでアーティ・ピースフルな「音」のファンになり、いつしかNO MILKワールドにどっぷり浸れること間違いなし。世界的大ヒット最有力候補アーティストを先取りしてみてはいかがかな。http://www.music-conception.com/ |
No.04 [斉藤光浩/食い逃げリーダー]
まぎれもなく今の日本のロックを築き上げたRockerの一人、斉藤光浩の約15年ぶりの2nd.アルバム「SECOND」が完成した。1974年にロックバンドDO.T.DOLLでデビュー。1975〜1983年BOWWOW、1983〜1986年ARBに在籍。その後ソロやユニット等での活動も開始。現在は、1998年に再結成されたBOWWOWの活動と併せ、音楽プロデューサーとしても多忙な活動を続けている。そんなロックギタリストとして異彩な存在感を放ち続けている彼を、人は孤高のRock'n Rollと呼ぶ。約3年(!)の制作期間を経て完成させたという「SECOND」(PDMK-1113)は、まさにロック。音楽ジャンルに定義などは必要などないのだが、ロックってどんな音楽を指してロックというのだろう?と思う方々へ、今作には見事なまでのシンプルな回答が込められている。しかもストレートな Rock'n Rollが素直にかっこいいし気持ちいい。誤解を恐れずに言うが、ロック入門参考書といってもよいだろう。斉藤光浩がデビューした1974年、その頃はまだ日本のロックが商業的にも世間的にも認知などされていなかった。その時代からKISSやAEROSMITHといった当時、世界的にブレイクした大物アーティストの日本公演をオープニング・アクトとして一緒にツアーをまわり、また海外でのライブなどの活動を積極的にしてきたのだ。一言で長く続けてきたというのは容易いことだが、斉藤光浩は30年以上転がり続けて(Rolling)いる。この先も新人はもちろんだが、既にベテランになったアーティスト達も、斉藤光浩世代のアーティストの背中を見続けていくのだろう。必聴盤である。http://www.wildland.co.jp/bowwow/
世に女の子ボーカルバンドは数多い。ジュディ&マリーの解散以来、そのフォロアー達も後を絶たないが、今ひとつ抜きん出たアーティストが今だに現れていないのも周知の通りだろう。「食い逃げリーダー」こいつらはいいぞ!群馬県高崎市在住バンド。なんとボーカルのMeGは18歳の現役女子高校生である。元気一杯のファースト・アルバム「フル・カラフル・カラー」(YRCI-71015)はアルバム・タイトル通りカラフルなギター・ポップ・サウンドに仕上がっている。ロックの最小編成3リズムに乗せて繰り広げられる世界は、無限の可能性をビシバシと感じさせてくれる。無防備に歌い上げるMeGが発する言葉も痛いくらい「青春」なのだ。つっちい(bass)、たぁくん(guitar)と共にコンポーズを手がけるMeGのメロディー・センス、そして少しハスキーな伸びる声質に、どこか懐かしさに似た心地よさを感じてしまう。若さが放つ勢いって恐い。本当に'07年、「食い逃げリーダー」がブレイクする気がしてきたぞ。http://www.freepe.com/ii.cgi?kuinige/ |
No.03 [川上次郎/Dolly]
サウンドパレットを手にして頂いている読者の年齢層の方々の中には知らない方も多いかもしれません。90年代初頭に流行った「天・天ブーム」。天・天とは…「ホコ天」…歩行者天国のことですね。あと「イカ天」テレビのバンド・オーディション番組。当時、社会現象とまで言われた空前絶後のバンド・ブームを総称し「天・天ブーム」と呼ばれていたんです。今では廃止されてますが、代々木公園を抜ける道が日曜日に歩行者天国だったんですが、その道一杯にバンドがひしめき合って演奏していた光景は凄かったな。そんな中「イカ天」というオーディション番組が始まるや否や、毎週の様に新人アーティスト達が誕生して…。たった3分間で「スター」が生まれる風潮に疑問視もされてはいたが、このブームの中で多感な青春を過ごし、音楽生活にハマった人も多かったでしょう。今回の一組目「川上次郎」は、その大ブームの中にあっても群を抜いて圧倒的支持を得ていた「kusu kusu」のボーカリスト。1990年メジャーデビュー。そして約2年の活動を経てバンドは活動休止。だが川上はずっと音楽を追求し続け、今作「love is strong」はなんと自身のソロ6作目。おそらくkusu kusuが初めてポップ・ミュージックにカリビアン・テイストを取り入れ成功したアーティストだと思う。今作も、REGGAEを中心にラテン、モタウンのフレーバー、Hip Hopを見事に消化させて川上ワールドを創りあげている。全編に優しいサウンド・言葉に満ち溢れており、長く継続したアーティストのみが持つ「包み込む愛」がそこにある。川上の大親友のMCU(KICK THE CAN CREW)の参加も興味深い。秋の夜長、遠く南の海に想いを馳せながら聴いて下さい。きっと暖かな涙が頬を伝わって幸せになれると思うよ。 http://www.jirokawakami.com/ http://www.dolly-web.com/ |
No.02 [e-ha?/鶴]
先日、渋谷club asiaに「渋谷サイケデリック♀」を観に行ってきた。流浪のロック歌手高樹リオ嬢がオーガナイザーのイベントだ。同タイトル2回目のイベントだったんだが、会場は盛況でお客さん一杯で熱気に溢れていた。ライブはもちろんのことだが、ロビーのバー・カウンターの周りでは写真展や、民族楽器などを売ってるお店が出たりと、とても楽しいイベントだった。その中、ライブで圧巻だったのは、高樹リオ嬢とcan/gooの歌姫タピコ嬢とのユニット「RIO://TAPI」のステージ。女性ばかりの名うてのミュージシャンを従えてのパフォーマンスには、正直ド肝を抜かれた。現在、バンド・メンバーと一緒にアルバム制作中なので、完成したらまたご紹介したい。その「RIO://TAPI」バンドを支える2人のミュージシャンがメンバーであるバンド「e-ha?」の2nd.アルバム「Second」が10月4日にリリースされた。e-ha?は、長井ちえ(ex.千年コメッツ、大槻ケンジ、一青窈etc.)、山田直子(ex.NormaJean,SMAP,etc.)、角田“mittan”美喜「SHOW-YA」の3人から成るバンド。彼女達のキャリアによる演奏力・表現力は想像に難くないだろう。が、一聴してストレートに感じるのは、その大きくウネるグルーブ感と、あらゆる虚飾を排した「サウンド」&「言葉」。まるで自らを曝け出す事に、微塵の抵抗感がないかのようだ。歌詞世界は日常の中にテーマがあり、絵空事に聞こえる言葉が無いが故、ぐっと聞き手を引き込むパワーがある。元気が出るロックなので、絶対オススメしたい。 http://www.eha-eha.com/
もう一組は「鶴」。自ら「ウキウキ&切なさの伝道師」と名乗る「鶴」は中学の同級生3人組。新宿・下北沢を中心に活動し2004年8月に JAM orchestra recordsより1st mini album「素敵CD」をリリース。新宿タワーレコードではインディーズ週間チャートで1位を獲得!。9月13日にセカンドアルバム「浪漫CD」のリリースし全国ウキウキ放浪中(笑)。すべては勘違いから始まる男心の浪漫をテーマに作られた「鶴」の音楽は要チェック。この11月号が発行される頃は、下北沢 CLUB Queのレコ初ワンマンは終わってますが、関西方面のツアーが敢行されております。アフロ(かぶり物)とキモシャツ(鶴が命名)の70sファッションを代名詞にお客さんを巻き込んで展開するライブパフォーマンスは是非オススメです。http://sound.jp/tsuru/ |
No.01 [ふぁ〜な/赤松隆一郎]
最初にご紹介する2組は、共にインディペンデントで活動してるアーティストです。まず"ふぁ〜な"。沖縄出身の「イッコ」と「オヤカタ」のユニット。二人は現在、東京の中野で沖縄的無国籍料理店を営みながらアーティスト活動を続けています。今から約15年前、当時のCBSソニーから「DIZZY」という ロックバンドでデビューし上京。2枚のアルバムを出し、バンド解散後もユニットで精力的に活動を続け、今年4月待望の1st.アルバム「リベラ ハベル」(左)をリリース。オリジナル曲の他、沖縄地方の島唄などもカヴァー。全編アンプラグド一発録り。イッコの心から滲み出てくる歌声は、まさに癒し。心をジャブジャブ洗いたい方に絶対オススメの一枚です!
http://www.geocities.jp/chimuya_oyakata/fahna.htmlそしてもうひとり。某大手広告代理店でCMプランナーとして働く傍ら音楽活動を続けている赤松隆一郎。約8年前に音楽活動を再開した赤松。インディペンデントながら精力的に作品を出し続けている。最新作は「MONSTER」「白夜」(右)。今作はダウンロード販売のみ。前作「僕パパの子でよかったな」は、その強烈なメッセージにより、オンエアしなかったラジオ局もあったとか。2000年にリリースされた「Gift」は名曲中の名曲。子を持つ親なら涙流さずには聴けない秀作。聴き終えると優しい気持ちになれます。今年末に再録再リリースされるようで、今から楽しみ。 http://www.akamatsu-ryuichiro.com/ |
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